大淀川の草花   
 
宮崎市大淀川の堤防・河川敷で見つけた草花たちです。
なにぶん素人がやっていることですので間違いがあるかもしれません。
お気づきの方にご指摘頂ければ幸いです。


Page 22   Summer August


ツルボ

ツルボ (サンダイガサ)   Scilla scilloides

蔓穂。   ユリ科 ツルボ属

日当たりのよい山野等に生える多年草。花茎の高さ20〜50cm。先端に総状花序を
だし、花は6個の淡紅紫色の花披片からなります。葉は線形で2個が根生しますが、
花期にはないこともあります。地下には黒褐色の薄皮がついた鱗茎があります。
果実はさく果で、約5mmの楕円形。

ツルボ
 
和名の由来は不明。別名の「サンダイガサ」は、
公卿が宮中に参内するときに従者が差しかけた
傘の形に似ているためのようです。鱗茎は昔、
飢饉のときに食料としました。命の綱の大切な
救荒植物であったようです。鱗茎に含まれるで
ん粉質を水によくさらしたものを食べていたそう
ですが、アクとえぐみは相当なもので、調理にも
時間がかかり、そのうえ不味いときたら手を出す
気にはなりません。食べ物に不自由していた時
代、それでもいよいよという時までは手を出さなか
った「ツルボ」。そのマズさは折り紙つきです。








 
キンエノコロ

キンエノコロ     Setaria glauca

金狗尾草。   イネ科 エノコログサ属

日当たりのよい道端や田畑などに生える1年草。高さ20〜80cm。茎の先に3〜10
cmの花穂を出し、中軸に短毛をもちます。小穂は基部に7〜10mmの黄金色の剛
毛が密生します。葉は細鋸歯のある線形で基部に葉舌はなく長毛が生え葉鞘と
なります。エノコロの仲間の見分け方のポイントは、花穂の長さ・垂れ方・剛毛の色。

キンエノコロ
キンエノコロ

アキノエノコログサ  エノコログサ
アキノエノコログサ                      エノコログサ








 
ヤマノイモ(ジネンジョ)

ヤマノイモ(ジネンジョ)   Dioscorea japonica

山の芋。   ヤマノイモ科 ヤマノイモ属

山野に生えるつる性の多年草。地下には多肉根(自然薯)があり、茎はつる性で
長く伸びます。雌雄異株。雄花序は白色の花をつけて直立し、雌花序は白色の花
がまばらに垂れ下がります。葉は長卵形(長心形)で、基部は心状みみ形。葉の
わきに「むかご」を付け、落ちると翌年発芽します。(画像は雄株。)

食用になります。自然薯は今では高級品です。子供の頃は家の周りにいくら
でも生えていて、むかごをたくさん取っては塩茹でにして食べていました。
薬用としても使われています。生薬名 山薬(さんやく)。強壮、強精薬として
胃を丈夫にして、精力をつける効き目があります。 また、慢性の下痢にも用
いられます。 山薬(さんやく)は根を乾燥させたものですが、トロロとして生食し
ても同様の効き目があります。

※ヤマノイモとよく似たものに「オニドコロ」という有毒植物があります。同じく
雌雄異株のつる性の多年草で、葉はハート型で互生。食べると喉や胃腸に
炎症をおこします。昔は飢饉などのときに救荒植物として、水にさらし毒抜き
をして食用にしたそうですが、危険ですので間違えて食べないように。





 
オオブタクサ

オオブタクサ(クワモドキ)   Ambrosia trifida

桑擬き。   キク科 ブタクサ属

北アメリカ原産の帰化植物、1年草。昭和20年代に関東地方から各地に広がり、河川敷や
多湿な環境を中心に全国に広がりました。大群落を作るため、
河川敷の植物を駆逐してしまう
恐れ
があります。休眠性の高い、やや大型の種子(偽果)をつけるため、河川敷の親植物から
散布された種子は、増水等で水に流されて広がります。大型の一年草で、直立した茎は3mに
もなります。長い柄を持った葉の表面はざらつき、手のひら状に3-7裂します。長い穂を何本も
立ち上げ、上部に雄花、下部に雌花がつく風媒花です。そのため多数の花粉を飛散させブタ
クサとともに、
花粉症の原因物質のひとつとしても、近年問題視されるようになっています。

高さ約3m
ブタクサよりも大型であることが和名の由来。
ブタクサというのは Hog-weed という英名の
直訳です。別名のクワモドキは,葉の様子が
桑に似ていることから。





 
ジュズダマ(トウムギ)

ジュズダマ(トウムギ)   Coix lacryma-jobi

数珠玉。   イネ科 ジュズダマ属

水辺などやや湿った場所に生える、熱帯アジア原産の多年草。高さ1〜2m。
枝先に約1cmの壺形の苞鞘をだします。中に雌性小穂があり、雄性小穂は
苞鞘から伸びた先につきます。葉は線状披針形で中央脈が白く基部は葉鞘。
果期、苞鞘は硬くなり、緑色・黒褐色・灰白色になります。  (画像にある
黄緑色で丸いものが苞鞘です。そこから出ている赤い糸状のものは柱頭。
うろこ状に見えるものが雄性小穂で黄色くのぞいているものは葯です。)

本種の栽培種がハトムギです。苞鞘は柔らかく、果実を炒ったものが「はと麦茶」。





 
アカメガシワ

アカメガシワ    Mallotus japonicus

赤芽柏。   トウダイグサ科 アカメガシワ属

河原、海岸、伐採跡地などの日当たりの良い場所に生える落葉低木。高さは10mに達するものも
あります。春先の新芽と稚葉は、毛が密生しており鮮やかな紅色、成葉になるにつれて、緑色とな
ります。葉は卵形で三浅裂し互生、長い柄があります。雌雄異株で若枝の先に円錐花序をつけ、
花弁のない黄緑色の小さな花を密生します。果実は刺状の突起があり、秋に裂開して紫黒色の
光沢のある種子を出します。昔はこの葉に食物をのせて神前に供えたり、だんごを包んで蒸したり
したことから、柏の代用品という意味で、赤芽柏の名がつきました。 ゴサイバ、サイモリバ、アカベア
メコサイバ、ミツバガシワ、アカメノキ、メシモリナ、ショウグンボク等の名で呼ばれることもあります。

葉脈のつけねに2つの蜜腺があり、この蜜腺を「赤目」にみたてて名前の由来とする説もあります。

消炎・鎮痛の作用があるとして、昔から
民間薬として用いられてきました。胃潰瘍・十二指腸潰瘍・
胃酸過多・胆石症・痔・はれも・強壮・利尿のなどに用いられます。樹皮を利用することが多いよう
ですが赤い新葉と新芽、赤い葉柄の干したものを煎服すると胃がんや胃潰瘍に効き目があるとさ
れています。葉、茎、樹皮を浴剤として使用すれば、皮膚病・リューマチ・神経痛に効果があると
されています。最近はアカメガシワを利用した健康食品が多数販売されています。薬名、野梧桐。
幹は建築材等木工に、また葉や種子は染料としても利用されます

アカメガシワの新芽   アカメガシワの新芽。色が赤いことが名前の由来
  のうちの一つです。


アカメガシワ・雄花 雄花(雄花序)
雄花の花軸には星状毛があり、雄しべは多数あって
球状に開きます。
アカメガシワ・雌花 雌花には白色の腺点と赤色の星状毛があり、子房には棘
状の突起が多数あります。雌しべの柱頭は3つに分かれ、
赤くなります。夏に若い果実ができ、しばらくすると果皮が
割れて中から黒くて光沢のある種子が出てきます。種子の
表面には油脂があり、落下すると休眠状態となり、埋土種
子となって長期間にわたり、土中で伐採などの撹乱を待っ
て待機します。
アカメガシワ雌花 子房が膨らみ始めた雌花序。
種子。
アカメガシワの種子は高い休眠性をもち、そのままでは
発芽率が低いのですが、いったん高温状況にさらされる
と、飛躍的に発芽率が上昇します。これはアカメガシワの
戦略です。鬱蒼とした陽のあたらない森林の中では発芽
せず、森林火災による熱や伐採等によって直射日光の熱
を感じることにより一気に発芽します。発芽のチャンスが
来るまで、時には100年以上も待っているそうです。

アカメガシワ花外蜜線 アカメガシワの葉には花外蜜線があり、特に葉の基部には
二つの蜜線が肉眼でもはっきり確認することができます。
この蜜はアリがとても好むようで、大小様々なアリが蜜を吸
いに集まっています。アカメガシワとアリはどうやら共生関
係にあるようです。アリの好む蜜を出し、たくさんのアリを集
めることで、他の昆虫の食害から身を守っていると考えられ
ています。






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