宮崎市大淀川の堤防・河川敷で見つけた草花たちです。
なにぶん素人がやっていることですので間違いがあるかもしれません。
お気づきの方にご指摘頂ければ幸いです。
Page 37 Spring March

アマナ (ムギグワイ) Amana edulis
甘菜。 ユリ科 アマナ属
日当たりの良い草原や畦道、土手などに生える多年草。花茎の高さ15〜20cmで、茎先
に花披片6個の白色花をつけます。花披片には暗紫色の筋があります。葉は白緑色の線
形で、中央に白脈があり、長さ15〜20cm。よく似たものに「ヒロハアマナ」があります。
見分け方は、アマナの花茎には2個の苞があるのに対してヒロハアマナには3個の苞があ
ることと、ヒロハアマナの葉の白脈はアマナよりもはっきりしていてとても目立つことです。
食用になります。りん茎や若葉は茹でて食べるとほのかに甘味があり、美味しい野草として
昔から利用されてきました。名前に「菜」の付く野草は美味しく食べられることを意味します。
葉や花など地上部が出ているのは春だけで、他の季節は地下のりん茎(球根)だけになり、
見つけることが出来なくなって採取できるのはほぼ春だけになります。まさに季節の味。
ただ、同じ時期に「ヒガンバナ」など葉の様子が似ている有毒植物がありますので、誤食に
はくれぐれもご注意下さい。 (ヒガンバナの葉は深い緑色で光沢があります。)
薬用になります。生薬名、山慈姑(さんじご)。球根状のりん茎を天日乾燥し煎じたものを
解熱剤とします。また、生のものをすりおろした汁は腫れ物などに効くとされます。

アマナの群生。 夕方になると花を閉じます。

花茎には2個の苞。 アマナのりん茎。

シルバーチャーム 8W−W


フォーチュン 2Y−O 日本水仙 8W−Y
スイセン(日本水仙) Narcissus tazetta var. chinensis
ヒガンバナ科 スイセン属
海岸近くに生えることの多い、地中海原産の多年草。栽培もされ、街中でも多く見かけます。
冬、他の花が少ない時期に咲き、楽しませてくれます。別名、雪中花。葉の間から花茎を伸ば
し、高さ20〜40cmになります。茎先に黄色い副花冠(カップ)の目立つ香りのする白色の花
をつけます。花びらは6枚で花びらを銀の台、副花冠を金の盃(金盞)にたとえて、金盞銀台
(きんさんぎんだい)の別名もあります。葉は長さ20〜40cmの線形で、粉白を帯びます。
有毒植物。 福井県の県花。 福井県越前海岸・静岡県爪木崎などの大群生が有名です。
上の画像のフォーチュンと日本水仙はおそらく近くの方が植えられたものだと思い
ます。シルバーチャームは、なんでこんなところに?と思いたくなるような藪の中に
ひっそりと咲いていました。去年の台風で球根が流されてきたのかもしれません。
花名の後についている記号のようなものは、数の多いスイセンを区分するためのもの
です。スイセンは現在世界中に2万種以上の園芸品種があると言われており、交配な
どで今も増え続けています。その膨大な数の品種を整理するため、英国王立園芸協
会(The Royal Horticultural Society )によってそれぞれの特徴を基に12区分に分
けられました。(現在は原種を別の1区分に移し、13区分となっています) 例えば日本
水仙8W−Yの「8」は、第8区分タゼッタ類:房咲きスイセン(Tazetta daffodil cultivars)
に属すことを示し、「 W−Y 」は花被片( はなびら)の色が白:White or Whitishで副花
冠(カップ)の色が黄色:Yellowであることを現しています。花色は、「W(White) / 白」、
「G(Green) / 緑」、「Y(Yellow) / 黄色」、「P(Pink) / ピンク」、「O(Orange) / オレン
ジ色」、「R(Red) / 赤」の6文字(カラーコード)を使って表現し、花被片の色→副花冠
の色というふうにハイフンで結びます。複数の色に変化している場合は、花被片では「
先端、中央部、基部」の順に、副花冠では「基部、中央部、縁」の順に文字を並べます。
系統区分(Division)の詳細はここでは省かせて頂きますが、このような分類法は植物
分類学によるものではなく、あくまでも整理することが目的の便宜的なものです。

ヤエムグラ Galium spurium var. echinospermon
八重葎。 アカネ科 ヤエムグラ属
荒地や道端など身近なところにも多く生える1年草(越年草)。茎は柔らかく4稜があり、稜に
ある下向きの刺で他物に引っかかるようにして斜上し、長さ60〜100cmになります。茎先
や葉腋から花茎をだし、先にとても小さな花をつけます。花冠は4裂。葉は1節に6〜8個輪
生し、細長い倒披針形で表に短毛、下面の中脈と縁に逆向きの刺があります。果実はカギ
状毛がある球形の2分果からなります。衣服などに付く「ひっつき虫」のうちのひとつです。


セトガヤ Alopecurus japonicus
瀬戸茅・背戸茅。 イネ科 スズメノテッポウ属
草原や休耕田などに生える1年草。高さ20〜60cm。小穂は長さ5〜6mm。花序は
淡緑色を帯び、幅5〜8mm。葯は長さ約1mm。スズメノテッポウとよく似ていますが
、スズメノテッポウの葯が黄色なのに対しセトガヤの葯は白色です。また、植物体も
スズメノテッポウよりも一回り大柄です。

セトガヤ スズメノテッポウ


アケビ Akebia quinata
木通・通草。 アケビ科 アケビ属
山野の雑木林や草薮の樹木など他の木にからんで伸びる、落葉つる性植物。
掌状複葉で小葉は5枚、小葉は楕円形。雌雄異花同株で花は1本の蔓に雄花
と雌花がつきます。上の画像、左が雄花で右が雌花です。自家受粉はせず、
別株がないと実が付きません。秋に実が縦に大きく裂け開きます。「開け実 /
あけみ」が転じてアケビとなりました。「木通」は蔓を切って吹くと空気が通るこ
とからきていて、漢名の当て字です。仲間にミツバアケビ・ゴヨウアケビ・ムベ
などがあります。近縁で常緑のムベは実が裂けず朝廷への献上品にされまし
た。ミツバアケビは、頑強な蔓を利用して「アケビ細工」に使われます。
食用になります。子供の頃、秋に割れた実を取ってかぶりつき、種を吐き出し
ながらほんのり甘いゼリー状の果肉を食べた思い出があります。私の子供の
頃は駄菓子の全盛期で、やたら甘い菓子に慣れた舌にはそれほど美味しい
ものではありませんでしたが、自然に生っている物を取って食べるという行為
は子供心に軽い興奮を与えてくれたものでした。
実を生食するほかに、皮を炒め物。若芽を和え物・炒め物・てんぷらなどにし
ます。若芽の採取は春、10〜15cmに伸びたものをポキリと折ります。
薬用になります。生薬名、木通(もくつう)。実を乾燥したものを木通子(もくつうし)。
太い蔓を切って天日乾燥させたものを煎じて用います。アケビインなどのサポニン
を成分として含み、むくみを伴う疾患の利尿に効果があります。実は裂開する前の
ものを採取し、乾燥させて用います。消炎・解毒などに薬効があります。

コオニタビラコ (タビラコ) Lapsana apogonoides
子鬼田平子。 キク科 ヤブタビラコ属
日当たりの良い田んぼ・土手などに生える越年草。高さ4〜20cmの茎が伸び、
茎先に径約1cmの黄色い頭花をつけます。根生葉は頭大羽状に深裂し、茎葉
は小さく互生します。果実はそう果で黄褐色。冠毛がないのが特徴。春の七草の
「ホトケノザ」とは本種のことです。(ホトケノザを正式名称にするシソ科の植物が
他にあります。ご注意下さい。)早春に見られるロゼット葉を仏の蓮座に見立て
た呼び名です。タビラコとは「田んぼに平たく生える草」の意で、ロゼット状の根
生葉の様子からつけられたもの。タビラコが名につくものには他にオニタビラコ・
ヤブタビラコ・キュウリグサ(別名:タビラコ)などがあり混乱してしまいますが、
これらの「田平子 / タビラコ」はみんな根生葉がロゼット状になります。
食用になります。七草粥の他、和え物・汁の実・てんぷら・生食など。


オオアラセイトウ Orychophragmus violaceus
大紫羅欄花。 アブラナ科 オオアラセイトウ属
多くの名前を持っています。他にショカッサイ(諸葛菜)・ムラサキハナナ(紫花菜)・シキンソウ
(紫金草)・ハナダイコン(花大根)・ムラサキハナダイコンなど。「オオアラセイトウ」の名付け親
は牧野富太郎博士。紫羅欄花(アラセイトウ=ストック)より大きいのでオオアラセイトウ。花が
紫色で食べられる菜ということからムラサキハナナ。ショカッサイは、中国の三国時代の高名な
軍師『諸葛孔明』が広めたという話から。シキンソウは花が紫色で雄しべが金色のような色を
しているから。花が大根の花に似て、より美しいのでハナダイコン。 呼ばれる方も大変です。
道端・河川沿い・線路沿いなどに多くみられる中国東北部原産の1年草〜越年草。(渡来期
は江戸時代としている資料が多いんですが、なかには観賞用として昭和に入ってから渡来
したと記している図鑑も・・。) 日本ではもともとそれほど多くは栽培されてはいなかったよう
ですが、一時期大変流行して各地で栽培されるようになり、今では多くの場所で野生化して
いるのが見られます。 茎丈は30〜80cm。茎頂に総状花序をつけ、2〜3cmの淡紫色〜
紅紫色の4弁花を多数つけます。根生葉と下部の葉は柄があり羽状に深裂、上部の葉は長
楕円形〜卵形で無柄、基部は心形で茎を抱きます。上部下部ともに波状鋸歯。果実は4個
の稜が目立つ長さ約10cmの長角果。


コウサイタイ(ベニナバナ) Brassica chinensis f. honsaitai
紅菜苔。(紅菜花) アブラナ科 アブラナ属
中国揚子江中流域原産の2年草。日本へ渡来したのは1939年で、日本で始めて栽培
された中国野菜だそうです。現在のように広く栽培されるようになったのは70年代以降。
ベニナバナ・シサイタイ・コウサイカ・フォンツァイタイ など多くの名前で呼ばれていまし
たが、昭和58年、農水省が統一名称をコウサイタイに定めています。中国では唐の時
代から栽培され、元は油料作物であったようです。菜の花と同じく、主に花が咲く直前の
トウ(花茎)を食用にします。おひたし・和えもの・炒め物・てんぷら・漬物など。紫色の茎
は熱を加えると緑に変わります。病害虫に強く、強勢で収穫してもすぐに次の花茎が立
つようで、なかなかの優れ野菜のようです。画像のコウサイタイは、おそらく近くの畑から
逃げ出してきたものでしょう。今のところ近くの大淀川堤防で見かけたのはこの一株だけ
ですが、美味しい野菜のようなのでたくさん生えてくるのが楽しみ。紫色の茎が特徴的な
菜の花です。

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